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種池

ねがらの道を行くと、ところどころに池がある。その池は種池と呼ばれ、かつては清水が沸いていて種もみを浸したと言われている。
その後稲作りの重要な水源になり、流れる水は稲田に引かれ、溜まっている水は農作業で汚れた手足や農具を洗うのに利用された。
農家が多くなるにつれて自然に湧く清水だけでは足りなくなり、井戸を掘るなどの方法を採ったと思われる。また、水を溜めるために土手を築き、木を植えて土手を保護したと考えられる。

初午の次の日に"種子井払い"と言って、溜まっている水を汲み出し、池の周囲を綺麗に掃除し、種井払日待と言って一杯飲みながら懇親会が始まる。若柴の人々にとっては単なる水源ではなく、心の拠り所として今もなお根付いている。

かつては若柴の下町、仲町、上町、横町、向原、富士ノ下の各町ごとにあった種池だが、現存するのは仲町、上町、横町の3箇所で、いまも清水が沸いているのは仲町だけである。

池の周には木々が鬱蒼と繁り、古色蒼然たる景観はうるわしい若柴の歴史を物語っている。

 
仲町の種池